• 「隈裏びらき」とは?

    早稲田大学大隈講堂の裏側、通称「隈裏(くまうら)」。そこは、早稲田大学の公認サークルによって、日々演劇の稽古や舞台作業、上演等につかわれている場所で、舞台美術研究会、早稲田大学演劇研究会、劇団木霊の、3つのアトリエがあります。大学の敷地でありながら活動の自由度が高いこの場所は、早稲田演劇の歩みとともに、長い時間を積み重ねてきました。そして今、建物が老朽化しても、コロナ禍で利用を制限された時期を経てもなお、3サークルは隈裏で活動を続けています。隈裏という場所に集まって、他者とともに何かをつくろうとしています。忙しくしていることの多い3サークルですが、このことについて、ゆっくり考える機会があってもいいのではないでしょうか。


    しかし隈裏は、同じく早稲田で演劇をつくる人たちはおろか、隈裏で活動する人たち同士でさえ、自分たちが活動するアトリエを、公演以外でひらき、おしゃべりするような機会が滅多にないといいます。それならば、「隈裏」を広くひらく日をつくってみたい。これが、「隈裏びらき」の出発点です。当日は、隈裏全域を会場とし、さまざまな企画を実施します。「隈裏」という場所が、これまで、いま、そしてこれから、どんな場所として存在するのか。または、この時代に他者とともに何かをつくろうとすることとはどんなことなのか。所属に関わらず、隈裏でおしゃべりしながら一緒に考えてみませんか?

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    -隈裏で活動する3サークルを代表して-

    舞台美術研究会
    76期
    大澤萌

     

    周囲からある種隔絶されている大隈講堂裏では様々なコミュニティがうごめいていて、それらは必然的に有機的であるはずだけれどあえて干渉しようとはせず、すれ違えば軽く会釈する程度で永遠にすれ違ったまま、なんてこともあったりします。それが良いのか悪いのかはわからないのですが、まあ一度、アトリエのその重い扉を試しに開いてみたら面白いことが起きるんじゃないか、という思い付きから始まったのが「隈裏びらき」なのかもしれません。


    舞台美術研究会のアトリエはそこら中に材が積まれ工具が転がりカタシをサボって過去の美術が至るところに残され、と雑多ですが、あの空間で仲間と他愛のない話をする時間が、雨の降りしきる中一人籠って試行錯誤する時間が、何とも愛おしいのです。木の匂いが染み付いたアトリエを開いてみたとき、私たちには、訪れる人には、あの場所には、いったいどんな変化が生まれるのでしょうか。

    早稲田大学演劇研究会
    2022年入会・新人
    小島淳之介

     

    初めて、この「隈裏」という場所に来た時、はげしく迷ったのを覚えています。そりゃそうです。「大隈講堂裏」などとだけ書いてあって、入り口も決して分かりやすくはありません。


    なんの因果か、劇研というサークルに入ってからも、ずっと迷わされてばかりです。この場所では、会う人、会う人が皆、道に迷っているように見えます。きっと、この「隈裏」という場所は、迷わせる場所です。都会の真ん中にぽっかりと空いた、はた迷惑な樹海です。


    けれど、迷いながらも、その人たちが格好よく、可愛く、凛々しく、皆一様に輝いて見える、ひと時があります。彼ら、彼女らの視線の先にあるのは、舞台です。


    “隈裏”とは、そんな場所です。やってきた人を輝かせ、迷わせる場所です。長年、幾多の舞台を作ってきた、そんな場所が、今回開かれようとしています。


    いらっしゃる皆さんと、一緒に迷子になれたら、幸いです。
     

    劇団木霊
    67期
    石原里衣子

     

    航空写真から探すと、まるっと木に覆われていて姿形もみつからない。それが大隈講堂裏、劇団木霊アトリエです。鉄門をくぐった先にある秘密基地。水を吸った木と古びたトタン、葉っぱの揺れる音、スプレーで汚された壁、日本の中心地、新宿区とは思えない空間がここには広がっています。千と千尋のラストシーンを見るたびに思います、わたしたちのアトリエは、わたしたちが覚えているしかないのだと。ぱっと振り返った時には跡形もないかもしれないし、航空写真でも見つからないし。ましてや演劇なんて、消えて無くなるものだから。


    でもここには70年以上の歴史があって、確かにわたしたちは、隣り合って生きてきました。この場所があったから、集って、たくさん息を吸って吐いて、おしゃべりして、お芝居、作ってきました。そして、これからも。隈裏びらきが、アトリエが、どうかあなたの記憶の一部になりますように。
     

  • 企画タイムテーブル

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  • 企画詳細

    全8企画です! 各企画へのご参加は、入場者制限のため当日整理券を配布します!(「こだまの車窓から」・「くまうら作業室」・「テクニックの無駄遣い」の3企画については、整理券はありません。ふらっとお立ち寄りください!)
    整理券有の企画で、気になる企画がありましたら、開始時間の30分前に会場のアトリエにお越しいただき、整理券をお受け取りください!

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    アップ・ショーケース/狩歌

    各団体のアップを並べて、互いに見たりやったりする会。曲をかけたり、遊んだりする。

     

    時間:12:00-14:00

    対象:現在早稲田で演劇サークルに関わりのある人

    整理券:有(11:30から配布)

    定員:31名

    来場者参加形式:観客/参加

    *途中入退場◎

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    くまうら作業室

    早稲田演劇の技術スタッフ同士がゆる〜くおしゃべりしたり、作業したりして過ごす会。

     

    時間:12:00-19:30

    ■12:00-13:30 舞台監督/美術 

    ■13:30-15:00 音響 

    ■15:00-16:30 衣装 

    ■16:30-18:00 ゲネ写 

    ■18:00-19:30 制作

    対象:誰でも

    整理券:無

    来場者参加形式:観客

    *途中入退場◎

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    「新人育成」を考えるワークショップ

    新人育成に関心のある人たちが、サークル関係なく話し合って一緒に何かを持ち帰る会。

     

    時間:18:30-20:30

    対象:新人育成に興味のあるサークル員

    整理券:有(18:00から配布)

    定員:23名

    来場者参加形式:参加

    *途中入退場✕

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    お立ち台

    演劇や詩、音楽とそれらに関わる人たちが混ざり合い相互に干渉し合うための企画。

     

    時間:17:30-20:30

    ※冒頭1時間「こけつまろびっツ」パフォーマンス!

    対象:誰でも

    整理券:有(17:00から配布)

    定員:53名

    来場者参加形式:観客/参加

    *途中入退場◎

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    ギャラリー「こだまの車窓から」

    新幹線こだま号の車窓のように、新しい風景に触れるアトリエの使い方を試みる企画。

     

    時間:14:00-17:00

    対象:誰でも

    整理券:無

    来場者参加形式:鑑賞/物販購入

    *途中入退場◎

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    トーク×ト×ワーク

    みんなでやりたい演劇に関するトークやワークを詰め込んだ企画。

     

    時間:12:00-14:55

    対象:誰でも

    整理券:有(11:30から配布)

    定員:60名

    来場者参加形式:観客/参加

    (企画により異なります)

    *途中入退場◎

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    KUMADORI

    舞台上で何かをする/それを観るという体験をし、劇研アトリエ空間を楽しむ企画。

     

    時間:15:30-18:00

    対象:誰でも

    整理券:有(15:00から配布)

    定員:60名

    来場者参加形式:観客/参加

    *途中入退場◎

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    テクニックの無駄遣い

    技術スタッフたちの関心やアイデアを隈裏の外スペースにアウトプットする企画。

     

    時間:12:00-21:00

    対象:誰でも

    整理券:無

    来場者参加形式:参加

    (落書きスペース)

    *途中入退場◎